他人には分からない高次脳機能障害

高次脳機能障害の最も特徴的なことは、パッと見、つまり外見上は健常者となんら変わりないということです。

それは、社会においてどのように作用するのでしょうか。

こんな人をどう思いますか?

皆さんは、以下のような人をどう思うでしょうか?
そうですね、例えばあなたの通う職場や学校にこのような人がいたら、どう対応されますか?


・話たことを覚えていない
・物をどこに置いたのかすぐに忘れる
・同じ事を何度も何度も質問する
・同じ事ばかり何度も言う
・本人はもの忘れ症状があるとは思っていない


・ぼんやりとしている事が多くて作業にミスが多い
・同じ事を長く続けることが出来ない
・2つ以上の事を同時に行えず混乱する
・難しい仕事ができない
・訴えるのみで相手の言うことは聞けない
・すぐに疲労を訴える
・よそ見をする


・約束を守れない
・誰かに指示して貰わないと自分からは何も出来ない
・計画を立てて物事を実行することが出来ない
・柔軟性がなく、融通がきかない


・自己中心的な言動が多い
・自分の思い通りにならないと大声を出す
・すぐに興奮し、興奮すると暴力を振るう
・何事にも意欲がない
・気持ちが沈みがち
・気分がすぐ変わる
・小さなこどものよういなり依存的
・物事に固執する
・欲しい物を我慢できない
・お金はあるだけ使ってしまう
・行き当たりばったり
・落ち着きがない

度合いにもよるかとは思いますが、想像して考えてみてください。

実は高次脳機能障害という疾患です

上に例をあげたことは全て高次脳機能障害の症状にあるものです。
もちろん、高次脳機能障害の方なら全ての症状があるという訳ではありません。

それでは、これらの症状は何が障害されているでしょうか。

のグループは 記憶障害 です。

これは、他のものに比べて分かり易いかもしれません。
ただ、ある程度の年齢になれば病的でなくても、もの忘れ症状は多かれ少なかれ出てきます。
高次脳機能障害であっても軽度であれば、なかなかそれが障害であるとは分かり難いものです。

のグループは 注意障害 、つまり注意力の低下です。

注意障害の特徴は、注意を持続できない、同時に複数の事に注意を向けられない、注意する対象を変えられないといったことです。

しかし注意力も物忘れ同様、障害を受けていなくてもその力に個人差はあるものですし、単に注意力の欠ける人と見られてしまいます。

のグループは 遂行機能障害 です。

遂行機能とは日々生活する中で、何かをしようとするときに必要な能力です。
具体的には「目標の設定」、「計画」、「計画の実行」、「順序立った効果的な行動」という4つの要素が必要です。

遂行機能も障害を受けていなくても個人差のある能力です。
遂行機能に障害があると、複雑な仕事を行う事が困難になります。

のグループは 社会的行動障害 、つまり人格や情動の障害です。

人格の変化としては無感動になり、愛情喪失、感情の平坦化などを来たし、情動面では活動性の低下、自発性の欠如など、うつ病のような状態を生じたり、逆に抑制が効かなかったり、すぐに興奮して怒ったりと躁状態を生じたりもします。

この社会的行動障害は最も社会で生活する上で、誤解を受けやすくトラブルを生じ安いものです。

現在の日本の社会では、なかなかこれらの症状を高次脳機能障害による症状と見られることはありません。

社会で受け入れられる対応策

高次脳機能障害者が社会に受け入れられる一番の対応策は〝理解される〟ということです。

わが国の福祉に対する考え方は、年々に向上しているものと思われます。
しかし、障害者かどうかの判断は外見によって行われているのが現状です。
つまり、見た目に何の障害もないように見える高次脳機能障害者は、 障害者として理解されにくい ということです。

冒頭で「このような人がいたらどう思いますか?」のいろんな例に対して、あなたはどう思われましたか? どう対応しようと思われましたか?

ここを読んでいるということは、高次脳機能障害について調べようと思っていらっしゃる方だと思いますが、もし高次脳機能障害自体を知らなければどう思ったでしょうか。
きっと、悪い感情が芽生える方が大半ではないかと思います。

ですからまずは、高次脳機能障害の方が接する人たち、家族、親族はもちろんですが、学校や職場、その他のコミュニティーで関わる人々に、高次脳機障害という障害を患っていること、それによってどのような障害があるのか、どのような言動をとることがあるのか、その時どのような対応をすれば良いかなどを理解し、受け入れてもらうことが重要かと思います。

そうすることで、とっさの言動、日々の行動に対応出来ずに遠ざけるといった事もなくなり、普通に接し、同じ集団の中でコミュニケーションが取れていけるのではないでしょうか。

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