後遺障害等級の仕組みと認定基準

自賠責保険の後遺障害は、最も重たい障害から順に1級から14級まで等級が階級分けされ、138種の後遺障害(実務上は更に多くなります。)が規定されています。

これらの定められた後遺障害は、身体を解剖学的観点から10の部位に分け、次にそれぞれの部位における身体障害を機能の面に重点を置いた生理学的観点から、35の障害群に分類しています。
わけ分かりませんね。
仕組みとしては、この35の障害群を「障害の系列」と呼んでいて、さらに、各障害はその労働能力の喪失の程度に応じて一定の順序のもとに配列されており、これを「障害の序列」と呼んでいます。
後遺障害等級表上の後遺障害は、35種類に分類された障害の系列ごとに障害の序列に基づいて配列されているのですが、特に詳細を理解する必要はありません。

この規定されている後遺障害に該当することを立証できれば、該当する等級に認定されるというだけのことです。
しかし、後遺障害等級表を見てもらいますと、例えば第9級8号の場合「1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの」とあり、同じく第9級の10号では、「神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」と規定されています。

まさに「なんじゃ、そりゃぁ!」と言ってしまう言い回しです。
言葉の意味は分かっても、じゃあ、 それがどのような障害の状態を指して、どのように立証すればいいのか・・。
これを、きっちり把握していなければ、不当な認定であっても反論のしようがありません 

後遺障害の認定実務を担当する損害保険料率算出機構は、自動車損害賠償責任保険損害調査関係規定集というものに認定実務の内容を定めていますが、その内容は完全に非公表です。
しかし、基本的には労災保険の認定基準と同じですので、労災の認定基準を参考にすればいいのです。労災の認定基準は「労災補償障害認定必携」等、いくつか出版もされています。

等級の仕組みについて理解しておきたいことは、一つのケガに対しても複数の捉えられ方があるということです。
例えば下肢の後遺障害は、「機能障害(運動障害)」、「変形障害」、「欠損障害」、「短縮障害」、あとは「神経系統の障害」など複数の見方が有り、更には後遺障害等級表にも記されていない「動揺関節」といった障害もあります。
この動揺関節は「機能障害」として扱われるのですが、純然たる機能障害とは立証の仕方は違ってきます。
自身の後遺障害が「○○障害」なのか?それによって、後遺障害診断書の作成時に受けるべき検査の種類も違ってきます。

もし、後遺障害認定基準に当てはまる障害が身体に残っていたとしても、その立証が可能な検査を受けていなければ、適正な認定が下りることはありません。
そして、認定結果と一緒に認定理由も交付されますが、後遺障害診断書等に記載されていないことは、否定する理由すら記されないことになります。

 

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