元々後遺障害のあった人が、交通事故によってその後遺障害が酷くなるといったケースがあります。
このような場合に「加重障害」として扱われます。
元々あった後遺障害の原因が、交通事故によるものであっても無くても関係ありません。
加重障害は現在の後遺障害だけでなく、元々あった後遺障害が何級に認定されかといった問題も出てきます。
しかし、元々の後遺障害が交通事故によるもので、それが過去に後遺障害の認定を受けているのであれば、元々の後遺障害等級は大方確定しているようなものです。
この元々の後遺障害のことを「既存障害」といい、事故後に残った後遺障害のことを「現存障害」といいます。
加重障害が適用されるのは同部位の場合ですので、元々腰に後遺障害のあった人が、新たに交通事故によって首に後遺障害を残しても、加重障害の対象にはなりません。
加重障害が適用される場合の自賠責保険の計算方法は、現在の後遺障害(現症といいます)から既存障害の等級分を差し引いて計算します。
例1) 現症12級、既存障害14級の場合
12級(224万円)-14級(75万円)=149万円
例2) 現症5級、既存障害9級の場合
5級(1574万円)-9級(616万円)=958万円
注)上記の例はどの等級においても保険金額全額が支払われる方の場合の計算です。
自賠責保険支払基準による算定により保険金額に満たない場合は、現症も既存障害もその算定された金額を基に差し引きすることになります。