被害者請求でも、事前認定であっても、認定結果に納得がいかなければ文句を言い、再審査を受けることができます。
この手続きを「異議申し立て」といいます。
初めての申請で適正な認定を受ける事が出来ればそれが一番です。
余計な苦労を強いられませんし、解決までの期間も短くなります。
その場合はその認定された等級をもとに示談交渉に臨んでいけばいいのですが、適正な認定結果が出ていないことも多くあります。
●初回申請で適正に等級認定されるためには、治療過程から後遺障害を意識しておくことです。特にこれといった異常所見がない場合等は、その度合いは強まります。
また、診療科の違いから完全に見落とされていることもあります。
医師は後遺障害の認定実務を知らなくて当たり前です。
保険会社等も当然教えてくれませんし、そもそもそこまでの知識の無い担当が多勢です。被害者や親族等が主治医に理由を説明し、検査を頼まなくてはなりません。
この理由で異議申し立てをする場合は、立証のために必要な検査を知り、被害者や親族等が主治医に理由を説明し、検査を頼まなくてはなりません。
また、治療先にその検査が実施できない場合もあり、他院を紹介して貰う必要も出てくる場合があります。
その理由としては以下のようなことがあります。
•忙しい医師にとって書類の作成は面倒であること。
•協力的で丁寧に細かく記載してくれていても、医師は認定実務を知らないため、肝心なことが抜けていること。
•そもそも、認定に必要な検査を実施していないこと。
追加検査が必要であれば①と同様ですが、後遺障害診断書に問題がある場合は、主治医等に記載して貰いたい内容を伝え、追加で診断書の発行を依頼しなくてはなりません。
異議申立の際の診断書は、後遺障害診断書である必要はありません。
審査先は損害保険料率算出機構ですが、その中でも事案によって審査先は異なってきます。
各地区の自賠責損害調査事務所で認定されたものは、大量の事案を迅速に処理する度合いがより強いと思われ、初回申請は各地区で認定されることが多いためです。
明らかな認定ミスの場合は、その間違った認定内容を異議申立書によって指摘すればいいだけのことですが、新たな医証を付けた上で異議申立をする方が、等級変更の可能性は高くなる傾向はあります。
現在、何がどう認定され、あるいは否定されているのか把握し、以上の①~③のポイントを押さえ、的確な異議申立を行わなければ、時間と労力とお金をかけても結局、長期間待たされた挙げ句、同じ認定結果が返ってくることになってしまいます。